薬物療法
目的
精神科医療における薬物療法は、病原を根絶する意味での治療法ではない。中枢神経に対する選択的な影響を通して、精神機能や行動に特徴的な変化を起こすことを主な作用とする薬物を用いて、現れている症状の軽減あるいは消失をはかり、行動や生活の幅を広げることを目的とする。このような薬物が向精神薬と称され、作用特性により抗精神病薬、抗鬱薬、抗躁薬、抗てんかん薬、抗不安薬、、睡眠薬などに分類される。
1.抗精神病薬
作用 神経遮断薬、強力精神安定薬とも呼ばれ鎮静効果と賦活効果を有し臨床的には抗幻覚妄想作用、興奮昏迷などの精神運動症状の改善、自閉の改善、情動の安定化などをもたらす。
適応 精神分裂病、躁病
副作用
症 状 短期副作用 長期副作用 神経系症状
錐体外路症状
精神症状
自律神経症状
パーキンソニズム、急性ジストニア アカシジア
眠気、ふらつきなどの鎮静、催眠傾向、精神活動遅鈍化
低血圧、鼻閉、口渇、便秘、排尿障害
遅発性ジスキネジア
抑鬱状態
麻痺性イレウス 内分泌代謝系障害 性欲異常、月経異常 乳汁分泌、体重増加 肝障害 アレル...