〇麻酔の種類とその特徴〇
麻酔法は大きく全身麻酔と局所麻酔に分類される。全身麻酔法とは全身麻酔薬を中枢神経に作用させて無痛効果を得るもので、一般には意識の消失を伴うものであり、麻酔薬の投与法によってさらに細かく分類される。局所麻酔法とは局所麻酔薬を末梢神経線維に作用させて刺激の伝導を遮断するもので、意識の消失を伴わないものであり、主として局所麻酔薬の投薬部位によって細かく分類される。局所麻酔法は全身麻酔法に比べ生体に対する影響(呼吸・循環・代謝など)が少なく、必要な機材が少なくてすむといった理由から一般診療においても用いられることが多い。しかし局所麻酔法にも種々の副作用があり、これに伴う事故の発生件数も少なくないので、実施する場合には十分な知識と理解が必要である。
・全身麻酔法:
吸入麻酔・・・麻酔薬を肺から酸素とともに吸入させ、血流へ移行させる。すべての手術が適応対象となり、小児の麻酔導入には刺激性の少ないセボフルランが使われることが多い。
静脈麻酔・・・麻酔薬を静脈内へ直接投与する。検査や小手術、体表の手術時や、吸引麻酔や伝達麻酔との併用時、その他痙攣の防止や繊毛の防止とし...