病態 No.
<悪性リンパ腫>
1、概念
悪性リンパ腫とは、全身のリンパ組織から発症する悪性腫瘍の総称である。全身のリンパ節のほかに、ワルダイエル輪(口蓋、舌、咽頭扁桃の総称)、胃、腸、脾臓などのリンパ組織にも発症し、周辺臓器に浸潤する。病理組織学上の所見からホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別される。我が国ではホジキンリンパ腫の割合は少なく、悪性リンパ腫の90%は非ホジキンリンパ腫である。
2、原因
悪性リンパ腫の発症原因としては、ウイルスや細菌感染、慢性炎症性の刺激、免疫不全状態が考えられている。発症に関与するウイルス、細菌としてはEBウイルスやカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)、ヘリコバクターピロリ菌などがあげられる。また、慢性甲状腺炎やシェーグレン症候群にB細胞性リンパ腫が続発することがある。
3、症状
(1)表在リンパ節腫脹による症状
頸部、腋窩、鼠径部のリンパ節が腫脹する。無痛性でゴムのような感触があり、可動性がある。
(2)リン...