評価B
Y問題と精神保健福祉士の倫理~考察も交えて~
Y問題とは、1973年に開催された第9回日本PSW協会全国大会で提起された問題でPSWの専門性を問う重要な課題として提起された問題である。その経緯は以下のとおりである。
1969年、Y氏(19歳)は大学入試への不安、肉体的疲労、浪人生活からの不規則な生活などから母親に攻撃的になるなど不安定な精神状態にあった。特に父親とは対立の頂点に達していたため、両親が医師に相談し、紹介された精神保健衛生相談センターに出向くこととなる。
そこで、父親の話を聞いたPSWはY氏が病気の可能性が高いと判断し、そこからY氏不在の状態ですべてが進められ本人の意向を聞くことなく、一切の医師による事前の診察もなく、両親の同意もないまま、入院を拒否するY氏に警察官が手錠をかけて病院に連れて行き、40日間入院させられた。
以上の事をY氏は、重大なる人権侵害として病院を相手取り裁判を起こし、そして当時関わったPSWの行為や、今後同じようなことが起きないことを願い、PSW全国大会で事の一部始終を提起したのである。
Y問題にはたくさんの問題をはらんでいるが、私が一番重大な問題だと...