A.姿勢反射とは
姿勢反射群は、大別すると2種類ある。
・正常な運動発達の中で一時的に出現し、次第に消失していく反射(原始反射や緊張性姿勢反射)
・成長に伴って出現する反応(立ち直り反応および平衡反応)
B.姿勢反射検査
姿勢反射にはそれぞれの統合中枢があり(図1)、検査結果としての反応は、発達過程にある小児にCNS(中枢神経系)の成熟状態を示し、成人の場合はCNSの機能状態を示す。
*.意義と目的*
姿勢反射検査によってCNSの成熟レベル・機能状態を知ることができる。
発達過程にある小児では、消失すべき時期を超えて原始反射が残存してたり、出現すべき時期になっても立ち直り反応や平衡反応がみられないことは、CNSの未成熟を意味し、発達障害を示す指標となる。
成人でCNSが損傷された場合、正常ではみられない反射が出現したり、正常に出現するはずの反射が消失したりする。これらの現象は、より下位に統合中枢がある反射が上位中枢の抑制から解放されて出現したものと考えられている。
姿勢反射検査を実施するのは、発達途上にある小児、成人ではCNSに損傷や疾患のある場合である...