【変形性関節症(OA:osteoarthrosis)】
<病態生理>
変形性関節症は、「関節軟骨の変性・摩耗とその後の軟骨・骨の新生増殖、および二次性滑膜炎などに基づく、非炎症性の進行性疾患」と定義される。
変形性関節症の異常生理学的経過は進行性である。微環境における変化がきっかけとなり、軟骨細胞は細胞分裂をして(軟骨の主な構造要素である)プロテオグリカンおよびII型コラーゲンの合成が亢進する。軟骨下骨における骨芽細胞による骨形成は増加し、おそらく軟骨細胞と骨芽細胞の間のサイトカインによる細胞間伝達に刺激される。軟骨下領域での骨形成の増加によって物理特性が変わり、骨のコンプライアンスが低下するに従って骨は硬くなり、微小骨折が起こり、続いて仮骨形成が起こり、さらに硬くなり、ますます微小骨折が起こる。
周辺の滑膜細胞の異形成は関節周囲の骨棘形成を招く(または、正確には骨軟骨棘であり、線維軟骨で覆われ、時には骨棘内に硝子軟骨の島を伴う、骨および結合組織混合物から構成される)。これら骨棘の形成の程度は、関節により様々で、その根底にある原因に応じて異なる。最終的に軟骨下骨の下の骨髄に骨嚢胞(偽嚢...