Ⅰ.基礎知識
Ⅰ‐A.解剖
腱板(Rotator Cuff)は、肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋から成る筋腱構成体の総称で、解剖学的に一つの機能単位(Anatomical Functional Unit)である。腱板の機能については、①上腕骨頭を臼蓋に引きつける働き(Stabilizer),②上腕骨頭を回旋する働き(Rotator),③三角筋と協同して外転力として働く作用(Abductor),などが報告されている。骨頭を関節窩に引きつけ運動の中心を固定する(図1~5)。
棘上筋(supraspinatus muscle)
起始:棘上窩,棘上筋膜
↓
停止:大結節,関節包
神経支配:肩甲上神経 髄節:C5
作用:肩関節を外転
棘下筋(infraspinatus muscle)
起始:棘下窩,棘下筋膜
↓
停止:大結節の中央部,関節包
神経支配:肩甲上神経 髄節:C5,C6
作用:肩関節を外旋
肩甲下筋(subscapularis muscle)
起始:肩甲下窩,肩甲下筋膜
↓
停止:上腕骨...