脊椎圧迫骨折について
病態
脊椎圧迫骨折は骨粗鬆症がある場合に合併しやすく、つまずき、軽微な外傷あるいは転倒、尻もち等により生じる。骨折が生じた直後は背中や腰の激痛が主な症状である。一度潰れた脊椎は不可逆性であり、潰れた状態で骨がついてゆく。従って、痛みがとれた後も脊椎の彎曲、身長の短縮といった症状が残る。また、遅発性の脊髄麻痺を合併する場合もある。
骨粗鬆症
骨はミネラル(主にカルシウムとリン)、ミネラルが沈着する蛋白質(コラーゲンなど)とそれらの代謝を調節する細胞(骨芽細胞・破骨細胞など)から成り立っている。骨粗鬆症は、骨の新陳代謝のバランスがくずれ、骨吸収が骨形成を上回り骨量が減少した状態で、かつ骨そのものの質も変化し、骨がスカスカになる。特に閉経後女性に多く、骨粗鬆症の罹患者では軽微な外傷や場合によっては、明らかな外傷がなくても脊椎や大腿骨などの骨折が起こりやすくなる。日本人女性の骨粗鬆症性脊椎骨折の有病率は、外国人女性と比較して高いことが報告されており、一度、骨折を起こすと次々に起こりやすくなることから、初期治療が重要と考えられている。
好発部位
胸腰椎移行部であり、TH12...