睡眠障害
高齢者では睡眠障害は若年者より増加し、60歳以上では3割が睡眠障害を訴えている。身体疾患を有する高齢者では睡眠障害の増加はより顕著で、慢性疾患・うつ・頻尿など多くの視点から不眠に対処する必要がある。
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠には夢をみているが骨格筋は緊張がとれていて、眼球が急速な運動をしているレム(REM ; rapid eye movement)睡眠、4段階のノンレム(Non-REM ; non-rapid eye movement)睡眠にわかれる。
ノンレム睡眠のうち、1・2段階は浅い睡眠であり、3・4段階は深睡眠といって、周波数の少ない脳波がみられる(徐波)。
加齢と睡眠の質の変化
レム睡眠の長さは,新生児は睡眠時間のうち半分であるが,幼児期には1/3に成人では1/5に減少し,高齢者では1/8に減る。深睡眠も高齢者では減少するため、睡眠時間は平均6時間と成人より1時間短いだけであるが、熟睡する睡眠効率が低下する。
睡眠障害の成因と分類
高齢者の睡眠障害の原因には,不眠症・うつ病・夜間頻尿・むずむず脚症候群・睡眠時無呼吸症候群・レム...