終末期とは
死を目前に控えている人々がその人なりの終末期をどのように過ごしていくかは、一人の人間としてきわめて重要なことである。
人間にとって避けられない死はすべての人に平等にやってくるものである。
現在は約80%の死が病院死となり、家族や近親者の死を直接体験し得ない人々が増え てきた。死を単に恐怖と感じたり、自分自身の死についても安直に考えたりするようになってきている。最近、病院での緩和ケアや在宅ターミナルケアに関心が高まってきている。
●終末期の看護
終末期の定義として明確なものはないが、大多数の意見としては、病気が現代医学では絶対に治癒しないという診断がなされたときから死までの期間と考えられている。その期間はおよそ3~6ヶ月以内とされている。
必然的に終末期看護は、キュアからケアへと考え方を変えていかざるを得ない。このケアの役割はクオリティオブライフを高め、その人らしい生を全うすることができるように支えていくことである。つまり、その人が生きてきたような死の迎え方ができるように援助することである。
終末期看護の目標は、絶望的になるのではなく、前向きに一日一日の...