明星大学通信教育における、平成2014年度~児童心理学合格レポートです
「子どもの愛着形成ついて説明しなさい」
【参考文献】
塚田 紘一著(2009)「第2版 子どもの発達と環境 -児童心理学序説」。明星大学出版部
レポート作成の際の参考にしていただけたら光栄です
乳児の養育者は、大抵が母親になるため母親との情愛的な結びつきを持つ。そして、母親が愛情深く子どもを育てることは、子ども自身の要求の充足や愛着形成、知覚・認知機能、情動、社会的行動などといった乳児の発達に大切な関わりを持っている。また、母親の十分なマザーリング(愛情深い世話)は快感や安心感を持たせたり、健やかな成長を実現するための不可欠な条件でもある。
乳児にとって母親が、身の回りの環境の中で最も魅力のある知覚刺激であるため、母子関係の相互作用を通して精神的発達も進められる。
愛着(アタッチメント)は、乳幼児が母親など特定の人とのあいだに形成する情愛的な結びつきであると定義されている。乳幼児が選択的にその人に接近することを強く求めることを愛着行動といい、しがみつきや後追い、微笑、そして泣きなどの信号行動がこれに当たる。愛着行動をとることで、母親が生理的欲求を充足してくれるかを確認する。
ここで、愛着の形成における重要な役割について、主要な研究を用いてみていきたい。
ハーロウの赤毛ザルを用いた実験研究により、赤毛ザルの子は、空腹を満たしてくれる代理の母親よりも恐怖をしずめ安心感を生...