【日大通教】国文学史Ⅰ 分冊2 H25-26年度課題 合格リポート
〈『平家物語』は、語り物としてどのように広まったのか説明しなさい。また、その効果はどのようであったのか説明しなさい。〉
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国文学史Ⅰ 分冊二
〈『平家物語』は、語り物としてどのように広まったのか説明しなさい。また、その効果はどのようであったのか説明しなさい。〉
〈キーワード〉琵琶法師・平曲・戦国武将・民衆
『平家物語』は平安時代末期の平家一門の栄華と、源氏との争いの中で没落していく様子を描いた軍記物語である。物語の作者や成立には諸説あり未詳であるが、鎌倉時代末期の歌人吉田兼好著『徒然草』にみられるように、語りによって流布したと考えられている。本論ではこの『平家物語』に表される仏教思想と、その効果について考察する。
『平家物語』は琵琶を伴奏しながら物語を語る盲目僧形の芸人琵琶法師の語りによって、その時代に翻弄された戦国武将や民衆に、仏教の根本理念である無常観や諸行無常を実感させ、浄土思想を広めていった物語である。
琵琶法師は平安時代から活動し、『保元物語』『平治物語』『平家物語』といった軍記物を丸暗記して、琵琶のリズムに乗ってテンポよく語った。琵琶法師の語る『平家物語』は「平曲」といい、これによりその存在をより大きくしていったといわれている。物語は奈良時代にみられた五七調ではなく、なだらかなリズムで...