ことばの心理学 レポート課題(言語相対性仮説)
Ⅰ 説明
言語相対性仮説(Theory of linguistic relativity)とは、ベンジャミン・ウォーフが唱えた理論で、個人が使用できる言語によってその個人の思考が影響を受けることを体系化した理論である。つまり、言語が認知を左右するというもので、同じものを見たり聞いたりしても、そのものに対する認知は使用する言語によって大きく変わるというものである。
ベンジャミン・ウォーフの仮説には2つある。
1つ目の仮説は、「強い仮説」と呼ばれ、ドイツの伝統的な言語思想からみられる思考=言語、つまり言語の無い思考など存在しないというもの。これは非言語的な思考を認めない訳で、その言語で表現できない事柄は思考する事もできないという、思考が大きくその使用言語により制限されるという考えである。
2つ目の仮説は、前説に対比し、「弱い仮説」と呼ばれている。非言語的な思考まで存在を否定しているのではなく、その存在を認めた上で言語が思考の内容に一部影響するという考えである。
以上のように同じ名前の元に2つの違った解釈がある。言語と思考が同一のものであるとい...