偉大な作家を通したアメリカ文学の特徴 後期英米文学概説MBの合格リポートです。学習にお役立て頂ければと思います。
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アメリカはイギリスからの独立を果たし、
南北戦争という試練を経て、アメリカ固有の
文学や文化を生み出したいという願望が増し
ていった。南北戦争後は、技術革新の成果に
よってアメリカが世界一の工業国に発展した
時代である。技術革新がもたらした経済的効
果は非常に大きかったと同時に、物質主義、
金儲け主義が盛んになり、十九世紀後半は、
「金ぴか時代」とも呼ばれた。この中から生
まれてきたアメリカ的特徴として、一か所に
定住する場所を持たない、あるいは持つこと
を潔しとしない精神、放浪を好む、あるいは
尊重すると言った精神が生まれている。
マーク・トウェイン(1835-1910)は、当時の
アメリカで受け入れられた最初の作家であっ
た。チャールズ・ダドリー・ウォーナーとの
合作「金ぴか時代」(1873)では、全国民が
ドル獲得に夢中になり、醜い奪い合いにふけ
っている様子を描いている。マーク・トウェ
インのスタイルはジャーナリズムの影響を受
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け、方言を取り入れ、直接的で飾り気がない
が、高度に感情に訴えるものがあって、不敬
にもユーモラ...