個人の自由及び権利に対する制約について論じ、所感を述べよ。
憲法 分冊1
課題:
個人の自由及び権利に対する制約について論じ、所感を述べよ。
参考文献:
基本的人権 安藤高行 法律文化社 2005/11/30
制度的保障
憲法の規定のなかには、一定の制度を保障し、立法によってもその核心の侵害を許さない趣旨のものがあるという考え方があり、このような規定は人権に関する章のなかに置かれ、自由や権利の促進の働きをすると考えられ、通常人権の保障との関連で制度的保障の理論が説明されるのである。
ただ正確にいうと、必ずしもすべての制度的保障規定といわれるものが人権に関する章のなかにあるわけではなく、また人権の保障と直接結びついているわけでもない。これまで学説・判例上、日本国憲法における制度的保障の例として挙げられてきた主なものについていえば、政教分離(20条1項後段・3項)、大学の自治(23条)、私有財産制度(29条1項)といえる。
しかし、近年では立法によって侵されない制度の核心とは何かなどについて不明確な点も多いと批判され、また、逆をいえば核心を侵害しない立法は許されるということになり、制度の本質限界までの制約を認めることになり、かえって人権や制度の保障...