教育心理学Ⅰ【第1分冊】

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    教育心理学

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    子どもたちの学習によって獲得され記憶された知識は、彼らの思考と言語の発生と発達に大きな影響をおよぼしていく。思考は、感覚や記憶に比べるとより高次の精神活動といえ、脳におけるその基盤は多領域にわたっている。さらに、言語は思考の働きに密接にかかわり、それを支えている。言語の脳内基盤は、大脳皮質の比較的限られた領域に局在することが知られているが、思考と言語の機能は、その発達過程で相互に影響しあいながら形成されていくことが心理学的に指摘されている。

     新生児の平均的な脳重量は約400グラムといわれており、5,6歳で大人の脳重量1300グラム近くに達する。しかし、脳の神経細胞の数は、誕生時に既に大人と同じくらい存在しており、それ以降も多少は増加するが、同時に細胞の消失もあるため全体としての総数にはそれほど変化がない。脳重量の増加は神経細胞と神経細胞の結びつきであるシナプスが増加するためではないかと考えられている。また、知的発達を可能にするのは、認知機能の発達と同時期に発達する、前頭葉の髄鞘化、シナプス形成、それによる神経回路網の形成が知的発達に関係していると考えられる。また、シナプスの数や神経...

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