「介護の概念、対象、理念について述べよ。」
①概念
我が国は、少子高齢化に加え、核家族化や
女性の社会進出が、社会現象化してきた。そのため、「介護問題」が深刻化してきた。これに対しての施策として、介護の専門職として介護福祉士が誕生し、訪問介護員が制度化され、さらに、2,000年には介護を社会全体で支える介護保険が導入された。
「介護」とは、身体及び精神に何らかの障害がある人に対して、心身の状況に応じて日常生活を援助し、社会的自立した生活を実現できるよう支援することである。また、介護福祉士や訪問介護員などの専門職は、要介護者の人間としての尊厳と個性、価値観などを尊重することが重要である。
介護の専門職は、利用者の生活の自立を促し、安全かつ快適に生活できるように援助することが業務である。したがって介護の過程においては、利用者の安全が脅かされる行為があってはならない。介護の対象者である高齢者、障害者は、軽いけがや風邪を引いただけでも寝込む場合がある。食事の介助時に誤嚥をさせてしまえば、窒息の可能性があり、時には死に至ることもある。また、移動介助時に至っては、転倒事故を起こしたり、...