1800年にはたった10億人の人口は、この200年間で急激に増加し、現在の世界人口数は約65億人である。人口問題は、 消費の増大および資源の不平等な分配と複合して、環境上の重大な懸念となっている。
人口増加は世界中で一様ではない。先進国では19世紀と20世紀初頭の著しい増加のあと、現在は人口が安定化した。非先進地域では急速な増加が遅れて始まり、まだ安定化していない。その結果、開発途上国の人口が世界の全人口に占める割合は年々大きくなっている。こうした一連のパターンは「人口動態的遷移」といわれる。
1800年にはたった10億人の人口は、この200年間で急激に増加し、現在の世界人口数は約65億人である。人口問題は、 消費の増大および資源の不平等な分配と複合して、環境上の重大な懸念となっている。
人口増加は世界中で一様ではない。先進国では19世紀と20世紀初頭の著しい増加のあと、現在は人口が安定化した。非先進地域では急速な増加が遅れて始まり、まだ安定化していない。その結果、開発途上国の人口が世界の全人口に占める割合は年々大きくなっている。こうした一連のパターンは「人口動態的遷移」といわれる。
人口動態的遷移の理論によると、もし、資本が人口を上回る速度で成長した場合、世界の人々の物質的生活水準が上がるため、人口の増加率は逆に低下することになる。
これは、地域によってはある程度まで現実に見られる現象である。しかし、経済成長も、それに反応した人口の変化も、予想ほど速やかには起きていない。それどころか、むしろ経済的な生活水準は落ち、人口成長率は横ばいか、むしろ高まっている地域さえある。これは、工業経済における成長の分配のあり方に原因がある。
経済成長の大部分は、既に工業化された先進...