「精神保健福祉施策の概要について述べよ」
「心身一如」という言葉が示す様に、どちらか一方の不調が他方の不調をも呼びかねないため、心身双方の健康維持は人々の幸福にとって重要課題である。高度情報化社会を迎えた現代、ストレスやその他の原因が重なり合い心の病は更に複雑なよう想定してきており、精神障害への早急な対応が必要である。こうした社会の変化に併せて、我が国は適正な医療を行うとともに、社会復帰対策・福祉対策を促進するための各種の施策を進め、老人性痴呆疾患の対策についても推進している。
1995年に「精神保健法」が「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」へ改められ、精神障害のの福祉が法律に明記された。更に2006年の障害者自立支援法の施行に併せて精神保健福祉法も大幅に改定され、精神障害者の自立を促すための福祉施策が強化された。以下に精神保健福祉法と障害者自立支援法に基づいて行われている施策の要点を述べるとともに、それらが抱える問題について考察する。
1.入院医療制度について
かつての日本の精神医療は入院治療が中心であり、入院治療法制も人権を配慮したものではなかった。精神保健福祉法...