A評価,精神保健福祉学科短期過程,広島の某専門学校の課題レポートです。
日本における精神障害者の地域援助技術(コミュニティワーク)の歴史は,社会福祉援助技術の中でも最も新しい領域といえる。そのため,現在,コミュニティワークが技術として確立され,普遍化して活用されているとは言いがたい。しかし,精神保健福祉領域におけるコミュニティワークは,ケースワークやグループワーク同様にきわめて重要な援助技術である。実践現場においては多様な方法,創意工夫により,環境調整や資源開発などが行われている実態がある。精神障害者が病をかかえて生きていく上での生活条件を整え,その生活が継続できるための環境整備・調整のための援助技術として,コミュニティワークはなくてはならないものである。
コミュニティワークは,間接援助技術の1つの方法として発展してきた。わが国では,1970年代頃から使われ始めたが,現在もなお多義的な概念である。日本では,1987年に成立した「社会福祉士および介護福祉士法」による教育カリキュラムに地域援助技術として取り入れられた。その内容は,イギリスにおける19世紀末からの慈善組織化運動や友愛訪問員制度,セツルメント運動等の流れの中で,地域社会そのものをクライエントと...