先物・オプションといった派生商品市場においても、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME),シカゴ商業取引所(CBOT)、シカゴ・ボード・オプション取引所(CBOE)の三大取引所はそれぞれユーロ・ダラー金利先物、S&P500先物(ともにCME)、米財務省証券先物(CBOT)、米国を中心とした個別企業の株式オプション(CBOE)と、人気商品を軸に多種多様な取引商品の開発と上場を通じ、内外投資家の取引ニーズの獲得に励んできたが、近年では米国以外の先物取引所等と共同で新規商品の開発・導入に取り組み、海外投資家の取引ニーズの新規獲得などに注力している。
アメリカでの市場間競争
米国では従来から、世界最大の市場規模を誇るニューヨーク証券取引所(NYSE)と、新興企業による新規株式公開(IPO)急増を受けて1990年代に大きく成長したナスダック株式市場(NASDAQ)の間で新規公開企業の獲得や非米国企業の上場をめぐる「競合」続けられてきたが、最近ではそれに加え新たな分野でも競い合う場面がみられる。例えば、米国第三位のアメリカン証券取引所(Amex)が独自に人気取引商品へ育て上げることに成功したETF(株価指数連動型上場投資信託)をめぐり、Amexの既存上場商品であるETFの自市場への上場を進めようとするNYSEとの間でもあらたに競合する場面が...