日本の空港整備の問題点について考察する。また今後、国際ハブ空港を形成するにあたって、どのような戦略的な空港政策が必要となるかについて論じる。
交通論 分冊1 (1651文字)
空港整備の問題点&ハブ空港政策
オープンスカイ時代を迎えた今日、経済成長の著しいアジアの航空輸送市場では激しい空港間競争が進展してきているが、わが国の国際空港はその競争力が非常に低下している。その原因の一つには、空港整備のあり方にあったと考えられる。
本レポートでは、日本の空港整備の問題点について考察する。また今後、国際ハブ空港を形成するにあたって、どのような戦略的な空港政策が必要となるかについて論じる。
日本では、唯一国際空港は成田空港のみという時代が長く続いたが、途中、成田では一部の反対運動があり、滑走路の整備等がなかなか進まなかった。そして平成6年には24時間利用できる海上空港として関西国際空港が出来たが、その建設費がかなり高額であったため、後々に着陸料や空港使用料などが高額になってしまう等、様々な問題が発生している。
わが国の国際空港における高い空港使用料は、多くの空港の滑走路を国が管理していて、空港施設のビルと一緒に運営できないことから生じている。これまで受益者負担とされてきたわが国の空港整備費の扱いについては、さらに検討されるべきで...