『枕草子』には清少納言が出仕した定子皇后周辺の宮廷社会を振り返った日記的章段以外に日常生活や四季の自然を観察した随想的章段(「春はあけぼの」の段はここに分類されるといわれている。)、「虫は」「木の花は」「すさまじきもの」「うつくしきもの」に代表される「ものはづくし」の「類聚的章段」に分けられる。『枕草子』は、自然、人事の万般にわたって多彩な話題を、様々な形式であらわしている。
まず随想的章段について述べていきたい。
『枕草子』の冒頭では、現代にも通じる日本人の季節感覚、自然の微妙な移り変わりや人情などがするどい感覚でとらえられ、的確に表現されている。また宮仕えに生きている清少納言の生活と心情も表されている。四季を「をかし」「あはれなり」「つきづきし」「わろし」などの言葉で表されるものは、それらが視覚、聴覚、触覚などの感覚と直結している。また、『枕草子』には「あはれ」について語られることが少ない。それが語られるとすれば、多くは鳥や虫や草などにあらわれる。冒頭の段はそのことがよくわかる段である。清少納言の感性は、教養にまで高められているようにとらえられるものである。この表現は、『枕草子』全体に通じる特徴がある。さらに、風流のことでいえば、秋についてかかれているところでカラスと雁について述べられている。風流という観点からいえば、雁のほうが明らかに風流であるといえる。カラスの風流のランクとしてはかなり低い。
枕草子 日記的章段以外について自由に論じる
『枕草子』には清少納言が出仕した定子皇后周辺の宮廷社会を振り返った日記的章段以外に日常生活や四季の自然を観察した随想的章段(「春はあけぼの」の段はここに分類されるといわれている。)、「虫は」「木の花は」「すさまじきもの」「うつくしきもの」に代表される「ものはづくし」の「類聚的章段」に分けられる。『枕草子』は、自然、人事の万般にわたって多彩な話題を、様々な形式であらわしている。
まず随想的章段について述べていきたい。
『枕草子』の冒頭では、現代にも通じる日本人の季節感覚、自然の微妙な移り変わりや人情などがするどい感覚でとらえられ、的確に表現されている。また宮仕えに生きている清少納言の生活と心情も表されている。四季を「をかし」「あはれなり」「つきづきし」「わろし」などの言葉で表されるものは、それらが視覚、聴覚、触覚などの感覚と直結している。また、『枕草子』には「あはれ」について語られることが少ない。それが語られるとすれば、多くは鳥や虫や草などにあらわれる。冒頭の段はそのことがよくわかる段である。清少納言の感性は、教養にまで高められているようにと...
本文内容に触れること自体は悪い事ではないが、それについてもっと個人の分析や自説の展開があると、更に読みごたえのある資料になったのではないでしょうか。