【参考文献】
中小企業診断士スピードテキスト/TAC
経営システムは、経営目的、経営理念、経営戦略、経営制度・慣行から成り立ち、企業の目的を有効かつ能率的に実現していくための仕組みである。「人間観」や「労働観」などにより基本的に規定されている。
本来、会社という組織は、目的志向的・機能的な組織であり、個人は契約により会社との関係に入り、契約で定められた仕事を担当し、貢献に応じた報酬を受け取り、会社との関係は極めて限定的であるというのが欧米的な会社観であるが、日本人にとって会社とは仕事の場であると同時に共同生活体的な存在、契約関係というよりは所属関係であり、個人の繁栄は会社の成長とともにあるという運命共同体的な関係で見られた。
また、欧米の企業目的は利潤の獲得に一元化する傾向が強いのに対し、日本企業では安定配当を確定できる程度の利益を実現すること以上に、企業の存続や成長、従業員の雇用確保が重視されている。しかし近年、証券市場を通じての資金調達を有利にするためにも、経営者が株主や市場の声を強く意識せざるを得なくなってきていることから、日本企業にも株主重視の経営スタイルが顕著に見られるようになってきている。
従来、日本企業の経営理念や社...