チャールズ・ディケンズ オリバー・ツイスト
評価:C
2012年度 文学 第二課題
オリバーツイスト
チャールズ・ディケンズ(1812-70)は、娯楽小説の要素と純文学の要素とを併せ持った作家である。1827年に学校を卒業すると、事務弁護士の雑用係として事務所勤務を行い、仕事の傍ら速記を勉強して議会リポーターを経て新聞の世界に入り込む。取材記事を精力的に書く一方で「ポプラ小路の夕食会」という短編小説が処女作品である。これが好評で、様々な短編を書き、「ボズのスケッチ集」として、まとめられる。「ピックウィック・クラブ遺文録」を執筆中に雑誌連載で書き始めたのが「オリヴァー・トゥイスト」(1837-39)である。以下に本題のあらすじについて述べる。
主人公であるオリヴァー・トゥイストは、出生時に母親が亡くなったことにより救貧院で育つ。ここを管理する教区使のバンブルから頻繁に虐待を受けていた。ある日、くじ引きで選ばれ、孤児を代表して粥のおかわりを嘆願したことにより、オリヴァーは教区の問題児とみなされる。そして葬儀屋の下働きに出されるが、そこで働く従弟ノア・クレイポールがオリヴァーの母親の悪口を言ったことにより、逆上しノアを殴り倒して鞭...