児童理解と教育相談 第2分冊

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    授業中に教室を歩き回ったり、席にじっと座っていることができなかったり、周りと同じ作業を集中して行うことができなかったりと、いわゆる「落ち着きのない児童」が、近年増加している。このような状況の中で、教員は落ち着きのない児童をどのように理解し、本人、保護者、そして学級に対してどのような対応をとっていけばよいのだろうか。

     落ち着きのない児童に対してまず行わなければならないのは、「落ち着かない原因の把握」であろう。そのために、児童の行動の実態を理解する。特定の教科や場で落ち着きがないのか、それともすべての場において落ち着きがないのか、どのようなときに集中しているのか、気に入らないことがあると暴力を振るうのか、何度指導してもだめなのかなど、落ち着きのない児童の行動をこと細かに調査することで、問題をより明確化することができる。また、それに加えて児童の生育歴や病歴、親子関係、家庭環境、友人関係、これまでの学業成績や諸検査の結果など、児童の背景の調査を行うことも原因の把握につながる。前担任などと連携をはかることも、児童をより深く理解するための有効な手段である。このように調査を進めるうちに、児童の落...

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