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事例2 学習課題1:「ニード理論」の理論的背景、意義、活用方法について
学籍番号:1201438
氏名:城西 道代
序論
ニード理論の対象をとらえる基本的な視点は、人間が持つ普遍的なニードに焦点を置き、人間は自分ですべきこと(基本的ニード)を自分で満たすことができる存在であるという前提が基盤となり、看護の概念に当てはめると、人間はニードを持ち、健康はニードが充足された状態で、環境はニードを充足する人間の能力に影響を与えるもので、看護は充足されないニードを明らかにし、そのニードを充足し、患者自身が自分で充足することができるように援助することと定義されており、ヘンダーソンの理論は、基本的看護ケアが普遍的な人間の欲求に由来するという前提からあらゆる患者に当てはまるばかりでなく、家庭、病院、学校、工場などあらゆる看護の場に当てはまると説いている。
本論
ヘンダーソンは、第一次世界大戦をきっかけに看護への関心を高め、1918年にワシントンの陸軍看護学校へ入学し、卒業後はニューヨークのヘンリー街訪問看護サービスで働き、1922年ヴァージニア州ノーフォーク・プロテスタント病院の看護教師となり、更なる学習の必要性を感じ、1926年コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジへ入学、看護教育の学士及び修士を取得した。その後、著者「看護の基本となるもの」(1960)の中で、看護独自の機能としての看護の定義を14の基本的看護の構成要素に記述している。ヘンダーソンの看護の定義は、人間が生命及び生活を維持し、成長・発達するために必要な機能として14の基本的ニードを軸にしている。これらの基本的ニードを持つ個人を対象として、そのニードの充足をその人の自立を自立の状態にするよう援助することが基本的看護ケアであるとしている。ヘンダーソンの理論は、個人に対する看護実践を目指すもので、看護を
必要とする個人に対する看護ケアは、14の基本的ニード
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の充足状況をアセスメントすることで導き出され、その実践の原則は対象の自立であるとし、基本的ニードは誰もが共通して持つが、その在り方は一人ひとり異なる。また、基本的ニードは、年齢、文化的背景、情緒のバランスなどの影響を受け、著しい体液の平衡障害、急性酸素欠乏などの症状や症候群によって変容するもので、患者のニードを判断するに当たり、「看護師はこれらのすべてを考慮しなけれなばらない」と述べている。ヘンダーソンは、患者への看護アプローチを問題解決過程としてとらえており、看護の方向性は患者が自立した状態へと向かうのを助けることで、14の基本的看護の構成要素に沿って基本的ニードの充足をアセスメントし、問題を見出し、その問題解決のための計画を立案し、実施、評価するプロセスにより、患者の個別性をとらえたアプローチが可能になるとされ、基本的看護ケアが普遍的な人間の欲求に由来するという前提から、「基本的看護はあらゆる患者に当てはまるばかりでなく、家庭、病院、学校、工場な、あらゆる看護の場に当てはまる」と述べている。ヘンダーソンの看護独自の機能に、個人を対象としていること、健康のあらゆるレベルにある人を対象としていることとあり、個人は、健康である時はさらにその状態を維持・増進するために行動し、健康の回復、あるいは平和な死のためには、その人特有のニードの充足に向けて行動し、これらの行動はその人が持っている体力、意思力、知識を最大限に活用して行われ、この状態が自立であるとしている。自立の状態も各人の体力、意思力、知識によって異なり、あくまでその人の置かれている状況、その人の諸条件の下での基本的ニードの充足であり、どのような対象であれ、その人が必要とする看護は基本的ニードを変容させる病理的状態の影響を受ける。対象の基本的ニードを査定するにあたって、これらを考慮することでその人固有の看護ケアを導き出すことができると考えられている。
結論
ヘンダーソンの理論を用いた看護過程の展開では、14
の基本的ニードとそのニードの影響する常在条件及びニ
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ードを変容させる病態に沿ったアセスメントがポイントとなり、患者のニードとそれに影響を及ぼす条件やニードを変化させる諸要因を正く把握し、分析した上で適切な判断をすることであり、ヘンダーソンの言葉通り、「人間の欲求から看護ケアを引き出すという原理は、病的状態に対するケア提供活動におけると同じように、健康増進活動においても指針となるであろう」とある。ヘンダーソンが示した基本的看護ケアは、あらゆる患者、あらゆる看護の場に当てはまるものといえると説いている。
参考文献
佐藤栄子:「中範囲理論入門」,日総研出版,2011年3月26日発行,「ニード理論」,P34~P46