道徳教育の研究 分冊1 日本大学教職課程
「道徳の時間」の目標と内容、そして指導方法について、ここでは、各々『中学校学習指導要領』の内容をとりあげ、それらをもとに道徳教育の実践において、重要となる点について述べる。
まず始めに、「道徳の時間」の目標については、『中学校学習指導要領』において、第三章、第一目標のところで次のように述べられている。
「道徳の時間においては、・・・各教科、特別活動及び総合的な学習の時間における道徳教育と密接な関係を図りながら、計画的、発展的な指導によってこれを補充、深化、統合し、道徳的価値及び人間としての生き方についての自覚を深め、道徳的実践力を育成するものとする」
ここに述べられた内容を参考に、大きく二つのことが重視されていることがわかる。一つは、各教科及び特別活動が道徳教育と密接に関係を保つべきであるということ。もう一つは、道徳的実践力を育成するということである。
密接に関係を保つべきというのは、「道徳の時間」で説明したことが、各教科や特別活動を通して、本当の意味での理解をしてもらえるようにするということであり、そして、実践力の育成というのは、生徒の道...